不安と自律神経

自律神経に関することを記事にしてきましたが、なぜ、自律神経がバランスを崩すのか?

学術的な説明は頭脳明晰な偉い学者さんに譲るとして(笑)、ひとつの仮説であり、モデルを書いてみたいと思います。

 

自律神経が乱れる要因で避けては通れないのが、人間の持つ心理的側面です。

昨今、AI(人工知能)のことがよく話題に上りますが、その開発に至るに科学者が難儀するのが、人間の複雑な機能としての心理変化、行動心理。

サンプル的な実験をしても、とてもではないですが、人間の心理を解析するには至っていません。

 

人間の心理において、最も優先されることは何か。

それは、安定を望むということ。

 

人類誕生から約400万年といわれますが、その長くは生存するための欲求が主体であり、恐竜に襲われる心配や、基本的には、飢餓に怯えなくても良い状況にある現代社会に生きる我々も、まだまだ本能的には、そうした恐れをDNAに内包している。

 

なので、安定を求める。

そう人間は、現状維持を恐ろしいまでにこの特性をもつのです。そして、特に我々日本人は脳の働きからもその要素が強いそうです。

 

現状が保てないことに異常なほどの不安を覚えやすい。そのことも、きちんと認識し、人間とはそういう傾向がある。個人差は大きいのですが、誰しもその要素をもっているのだと分かっている方がいい。

認識できたものは、対応もしていけるようになるからです。

 

さて、それでは、その不安をどうすればいいのでしょう?

 

先日、両親のもとに、繰り返し“オレオレ詐欺”の電話がかかってきたことを聞きました。私の名前を名乗り、お金を用立ててほしいと言われたそうです。ニュースなどで見聞しているので、きちんと断ったそうですが、それでも、不安に思ったし、怖かったと母から聴きました。

 

毎年毎年、多くの人がオレオレ詐欺の被害に遭われていて、被害訴額も空前の高額犯罪となっています。どうして、自分の子どもの声とは違う他人に騙され、高額なお金をだまし取られてしまうのでしょうか。

 

簡単に言えば、現状が壊れることを恐れる心理が働くからだと思います。

自分の息子が人に迷惑をかけた、それにより場合によっては、息子が犯罪者扱いにされたり、その地位が保てなくなるなどの不安が起こる。強いては、自分自身の生活が乱される。

そのことがイヤなのです。

 

多くの場合、何かを守り、保とうとすると、人は臆病になり、不安にもなるものです。それは、先ほども触れましたが、人間の本能であり、長い間、人類が外敵や天候、飢餓から生き延びてこられた大きな能力であり、大切なことでもある。

 

それでも、今は、道端でいきなり猛獣に襲われることはないですし、いきなり飢餓になるわけでもない。数百万年の人類の歴史上、生存においては、もっとも不安要素の少ない時代に生きているのです。

 

なので、

“現状維持”を放棄することです。

 

現状を維持しようとするから、まだ見ぬ明日への不安が増大するし、いらぬ不安思考を繰り返すのです。気持ちはわからなくもないのですが、それは、なんの良き展開を生み出すことも無い。

まさに、自らの思考で、自分自身の未来が疑心暗鬼で埋まってしまう。

 

この世界の全ての物事、事象は1秒たりとも、とどまることを知らず、変化をし続ける。

それを、お釈迦さまは“空”と呼びました。

 

当院には、自律神経症状でみえられる方が多いのですが、いつも不安なことばかりを口にする人もいらっしゃいます。

そうすると、自分は端的にお話をするのですが、

 

「〇〇さん、僕も貴方も、いつか必ず死にます。いえ、僕らだけでなく生きているものすべて、致死率100%(笑)。どれだけ心配しても、それは避けられず。その時(死を迎える日)がいつかも、誰にも分らない」

「確かに、そうですよね・・・(苦笑)」

 

と、なります(笑)

 

まだ来てもいない未来を不安に怯えながら、日々を過ごすよりもすることがあります。

前々回のブログ「スピリチュアルと自律神経」でも書きましたが、毎日を自分らしく、せいいっぱい、限られた命と心がけて生きていくことが大切。

そのように思います。

 

繰り返しますが、現状維持を捨てる。

本当は、現状維持なんて、そもそも存在していない。

 

いつだって世界は“空”であり、変化し続けるものだからです。

 

変わるから、恐い、不安

ではなく、

 

変われるから、うれしい、楽しみ

 

朝目覚めた瞬間、今日も目を覚ませて(まだ生きていて)、良かった。

自分はいつも、そんな風に想いながら、目覚めるのです。