聴覚障害

仕事が早く終わり、たまたまテレビを着けたところEテレの「ハートネットTV」という身体的な障害を持つ方に関連する番組が放送されているのを視聴しました。

 

働く「聴覚障害者」だけ限定と題して、六人の聴覚障碍者の方と手話通訳の方々での座談会。

医療現場・飲食店・IT業界など異なる分野で働いている、20代~30代の男女6人が参加されていて、その参加者の中のひとりがNHKディレクターの長嶋愛さんという女性です。

両耳がすでにほとんど聞こえていない状態で、年々さらに聴覚が弱まっているという彼女自身も、他の番組制作時の苦悩を話されていました。

 

参加者の方々からは、聴覚障害を持つことでの大きなご苦労が語られて行きます。

会社で働いているときも、会議についていけない。

気分をリフレッシュするための飲み会自体が気苦労が多く、楽しめない。

などといった、聴覚障害を持つ当事者にしか分からない、働く上での、あるいは、日常でのコミュニケーションでの悩みを本音で語り合われていました。

どれも、とても考えさせられるお話ばかりで、テレビなどほとんど見ない自分が、気づけば最後まで視聴していました。

 

通訳を連れてきて呑み会に参加するなど、普通に耳が聴こえている人には分からないこと。

ひとりの男性は、通訳を通じて呑み会で参加した人たちとコミュニケーションが取れて、愉しかったと語られました。

別の男性は、通訳者の方に話をされてしまうので、自分の方を向いて話してほしいと頼んだけれど、やはり、つい通訳の方を向いて話されてしまい、寂しくもどかしい思いをしたと語っていました。

 

真面目に生きているだけでは辛い。リフレッシュする場として、呑み会に愉しく参加したい。

それでも、そうした苦労を感じていて、そうすると、さらに酒が飲みたくなる、と苦笑いしながら、語っている若い男性の気持ちが痛いほど伝わってきて、何とも言えない感情が湧きました。

 

その中で、チェーン店のカフェで接客係として働く、30歳の女性のお話がとても印象に残りました。

 

友人や知人に、「耳が聴こえないから、接客はムリだよ」

そう云われたそうですが、しっかりとした考えを持つ彼女は、そんなことを云う意味が分からない。

やってやろう!

そう思ったそうです。

 

そして、なぜ、接客業をやろうと思ったか。

 

ある日、お店でレジに並んでいた時、耳の聴こえないその女性に、店員さんが話しかけていたけれど、彼女は気がつかなったそうです。

それに店員が腹を立て、お釣り投げてきたそうです。

それで、ビックリしたり、悲しい思いをしたり。

また、別の時には、店員さんが話すことが分からないのに合わせて、ずっと頷いていたら、そのつもりのなかったお弁当を温め始めて、ようやく、そういうことだったのかと気がついた。

 

自分が接客をすれば、ろうの人が来店されたとき、心のこもったサービスを提供できる。

そう考えたそうです。

 

そして、カフェで接客をした後も苦労は続きます。

耳が聴こえないと分かった途端に別の店員を呼ばれてしまうケースもあり、はじめは心が折れることもしばしばあったそうです。

それでも、彼女は工夫を凝らし、自身に聴覚障害があるが、きちんと対応できると分かってもらうため、カラフルで見やすく、指をさしてもらえれば簡単に注文できる手持ちのボードをお手製で作成します。

 

外国人のお客さんは手ぶりのジェスチャーで対応。

むしろ、外国の方はジェスチャーが通じれば笑顔で返してきてくれるので、とても心地好く接客が出来て、嬉しいと話します。

 

さらに、この女性の素晴らしい発言に耳を傾けました。

休憩時間等を利用して、仲間のスタッフに手話の講座をやるから参加しないかと誘っていきます。

他にも、食事の際に教えるというよりお話をする感じで、他のスタッフに手話を伝えていったそうです。

やがて数人のお店のスタッフ仲間が手話を出来るようになり、仕事でお客さんの注文が分からなかった時に、手話を覚えた仲間が彼女に手話で伝えて、助けてくれるようになったそうです。

 

凄い女性だと話を聴いていて、感動しました。

 

耳が正常に聴こえる自分のような者にとって、当たり前に行えているコミュニケーション手段が取れない方々のご苦労は、はかり知れない。

人間にとって、最も大切な伝達手段が使えない状況。

そのことの苦労を正直に語りながら、腐らずに進んでいく。

 

30分ほどの番組の前半途中から視聴しましたが、静かな感動を味わいました。

 

やれることはたくさんある。

困難や苦労が伴う場面に出会っても、投げやりにならず、コツコツと丁寧に。

そして、道を開く努力をする。

 

たまには、テレビもいいじゃない?!

ちょっと上から目線ですが、そんな風にかじられた夜でした。

 

見終えた感動を忘れないうちに書いたブログでした。

 

 

追伸
A子さんをはじめ、ブログを楽しみしてくださっているみなさんへ

最近、なかなか書けませんが、いつもお読みいただき、ありがとうございます。

とても嬉しく思います。

 

拙文ですが、これからも正直な気持ちで綴っていきます。

お読みいただき、感謝いたします。

 

 

スガ シカオ / 愛について

 

 

世界中がHappyでありますように♪